句集「季語日誌 Vol.2」365句

【2020/4/18~2021/4/17】

…季語を一日一つ(原則)ピックアップ。



〈2020〉

04/18  #001 春雨よ流るるものはみな流せ

04/19  #002 囀や今日も朝から自粛なし

04/20  #003 チャリ飛ばす躑躅見守る通勤路

04/21  #004 朝寝して何を学ぶか夢の中

04/22  #005 行く春や大切なる人守りたし

04/23  #006 終息し晩春をまた迎えたし

04/24  #007 春闌けぬ予想を超えし世界かな

04/25  #008 鳥の声隣人の声暮の春

04/26  #009 さえずりの目覚まし時計スヌーズし

04/27  #010 花水木二つの音色漂わせ

04/28  #011 自粛して自分を掴む春の果

04/29  #012 朝つつじ綺麗に咲いてこちら見て

04/30  #013 咲き揃い満願成就の四月かな


05/01  #014 春惜しむ皆惜しみなく咲き誇り

05/02  #015 春尽きて空気の入れ換え怖くなし

05/03  #016 晩春の母の誕生祝いけり

05/04  #017 囀に囲まれ歩く近所かな

05/05  #018 ふと見ればとかげの遊ぶうちの庭

05/06  #019 どこにでも長実雛芥子顔を出す

05/07  #020 風薫る青空のもと木々揺れし

05/08  #021 新緑の世界にこころ奪われし

05/09  #022 初夏の朝しずけさに観る希望なり

05/10  #023 新緑の遊歩道ほどの憩いなし

05/11  #024 葉桜やこの道つづく永遠に

05/12  #025 部屋抜くる五月の風と鳥の声

05/13  #026 暑しとは使いたくない五月なり

05/14  #027 日射し受け若葉のように光りたし

05/15  #028 自分と云うどうぶつ包む緑なり

05/16  #029 若葉雨喜ぶ声の響きかな

05/17  #030 初夏らんまん母笑い声届きけり

05/18  #031 松葉菊上手に閉じて明日を待つ

05/19  #032 ミニ薔薇を窓から目視三回目

05/20  #033 朝の時間新樹イメージ土の中

05/21  #034 若葉冷今日は歩かずブラタモリ

05/22  #035 毎年の五月にひらく新境地

05/23  #036 新じゃがのポテトサラダがふわっふわ

05/24  #037 初夏の風「俳句の誕生」再度読み

05/25  #038 夏めいて散歩の老婆タオル手に

05/26  #039 極小の蜘蛛との出会い日誌つけ

05/27  #040 夏の蝶浮遊する我が心似て

05/28  #041 毎日の防災無線と四十雀

05/29  #042 夏草や朝のひかりに起こされし

05/30  #043 麦茶手に自室へ戻る昼下がり

05/31  #044 姫女苑筋通りたる姿勢かな


06/01  #045 迎え梅雨ラジオと車この身体

06/02  #046 夏草や既存の枠に収まらず

06/03  #047 立葵己が頂もう少し

06/04  #048 緑蔭の遊歩道から出たくなし

06/05  #049 金糸梅反対車線咲き乱る

06/06  #050 冷素麺個々に取り分け新様式

06/07  #051 旧かなを捨つる作業の芒種なり

06/08  #052 茂から本当の自分悟りたし

06/09  #053 鳥の声星々の声六月や

06/10  #054 紫陽花や元気の素を開示せり

06/11  #055 夏のそら風のつぶやき包容し

06/12  #056 入梅し変わらぬ道の続きたり

06/13  #057 瓜漬けの家族団欒見守れり

06/14  #058 安定の時鳥から声かかり

06/15  #059 五月晴この星の旅おもしろき

06/16  #060 風薫るざっとおさらいYUIのうた

06/17  #061 あちこちに夏草茂る幸せよ

06/18  #062 青芒結束にみる未来かな

06/19  #063 五月雨や浄化すべしと天の声

06/20  #064 梅雨晴の朝に必ず視界晴る

06/21  #065 昼顔に小さい希望見つけたり

06/22  #066 五月雨や自然の智恵が降りしきる

06/23  #067 向日葵のように悟りを開きたし

06/24  #068 額の花食卓に咲く我が家なり

06/25  #069 五月闇いまのうちにと勉強す

06/26  #070 運命の流れのように夏の川

06/27  #071 扇風機ただそこに居て流れ生む

06/28  #072 五月雨に私の成長まかせたし

06/29  #073 紫陽花のごとき健康目指したし

06/30  #074 黒南風や産まれし訳を匂わせて


07/01  #075 ラジオからグリーンアップル梅雨さなか

07/02  #076 梅雨晴の空に合わせて旅を課す

07/03  #077 百日紅いつもの道も特別に

07/04  #078 五月雨の恵みを受くる我が地球

07/05  #079 おやつには蒟蒻ゼリーのレモン味

07/06  #080 梅雨深し多くの慈悲と神の聲

07/07  #081 梅雨の果て「真夏の果実」流れけり

07/08  #082 歩き旅黒南風吹ける実世界

07/09  #083 五月雨にあなたを想うこころ知る

07/10  #084 雨のなか百日紅咲く幸福よ

07/11  #085 道端の夏草ともに生きて死に

07/12  #086 蟻たちのように歩いてみつけたし

07/13  #087 凌霄やいつもの世界も改変す

07/14  #088 鬼百合の静かな準備あと少し

07/15  #089 五月闇今日も明日もただ進む

07/16  #090 昼顔の幸せほどの生活を

07/17  #091 「夏の日の1993」雨の中

07/18  #092 梅雨長し帳尻合わす地球かな

07/19  #093 図書館でしみじみ浸る五月晴

07/20  #094 久々の夏日を浴ぶる旅の人

07/21  #095 一本の向日葵出会う裏の路

07/22  #096 降らるる日降り尽くしてや送り梅雨

07/23  #097 五月雨の激しき音の自室なり

07/24  #098 梅雨空に秦基博の響きかな

07/25  #099 雨上がり梅雨空のもと歩き出す

07/26  #100 長梅雨や生涯の夢相得たり

07/27  #101 ひぐらしや心の帰路へ続く道

07/28  #102 梅雨の果クリス智子と昼下がり

07/29  #103 愚かなり焦って生きても梅雨長し

07/30  #104 青柿をついつい何度も仰ぎ見ぬ

07/31  #105 七月や夢へと繋ぐ道となる


08/01  #106 夏燕改札に舞う最寄り駅

08/02  #107 単純よ梅雨明のあさ気も明けぬ

08/03  #108 みそ萩の毎年の場所覚えけり

08/04  #109 蝉たちの時間をともに過ごしけり

08/05  #110 夏のごとく生きる地球に戻りたり

08/06  #111 瓜の花しずかなる朝そっと見ゆ

08/07  #112 炎ゆる中こころは冷えしままで居り

08/08  #113 八月の八日に起こる仏心ぞ

08/09  #114 蝉たちと朝の時間を共にして

08/10  #115 蜩の響きのような人生を

08/11  #116 炎天よ何をそこまで知らしめん

08/12  #117 あなたとの出会いはやはりお盆かな

08/13  #118 八月は僕らの希望見えぬべし

08/14  #119 八月のように心を遊ばしむ

08/15  #120 蜩や近くて遠きあなたかな

08/16  #121 五回目の冷し中華を食べにけり

08/17  #122 残暑から始まる酷暑あるらしく

08/18  #123 もういくつ寝ると抜けるの熱帯夜

08/19  #124 木槿にも芙蓉にも会い出勤す

08/20  #125 分離帯ふわりと浮かぶ猫じゃらし

08/21  #126 先駆けて小さい秋になりつべし

08/22  #127 朝蝉よ声高らかにうた唄い

08/23  #128 秋の声全身に受け生まれ変わる

08/24  #129 新涼やちからをぬいてどこまでも

08/25  #130 七夕や忘れていても繋がれり

08/26  #131 残暑とはあの世とこの世結ぶ期間

08/27  #132 雲の峰その頂へ向かいたり

08/28  #133 葛の滝こちらへ向かい落ちにけり

08/29  #134 虫の声この吹く風に教えらる

08/30  #135 爽やかやここに来るまで長き日々

08/31  #136 右耳につくつく法師聞こえたり


09/01  #137 満を持し九月一日始動なり

09/02  #138 デザートにマスカットor巨峰かな

09/03  #139 見守れる狗尾草や帰り道

09/04  #140 残暑たる残暑の中の仕事なり

09/05  #141 秋の朝決意新たに明らめん

09/06  #142 過去最強台風よこす何かかな

09/07  #143 色々のメッセージなる台風ぞ

09/08  #144 俳句とは詠まされること秋の蝉

09/09  #145 夕飯の準備を急かす青松虫

09/10  #146 露草の心のように歩みたし

09/11  #147 コンビニに和栗のロールケーキかな

09/12  #148 幸せの種無し巨峰ピオーネや

09/13  #149 青蜜柑ひっそり庭に待機せり

09/14  #150 鶺鴒や後ろ姿に一目惚れ

09/15  #151 虫たちの声も一つの芝居かな

09/16  #152 帰り道BGMの虫の秋

09/17  #153 はじまりのうたが聞こえる秋の夜

09/18  #154 あなたこそ私の女神秋の暮

09/19  #155 荻のごと何にも寄らず凛とせん

09/20  #156 秋彼岸この場所で咲く夢を得る

09/21  #157 三日月やこの道の果て暗示せり

09/22  #158 回り道寄り道の末彼岸花

09/23  #159 神の雨台風迫る日本なり

09/24  #160 iPhoneのカメラロールに荻の声

09/25  #161 安心の秋雨受くる我が旅路

09/26  #162 秋の暮宇宙に暮らす地球人

09/27  #163 長き夜の一生の今日楽しめり

09/28  #164 秋晴や何もせずともよくなりぬ

09/29  #165 どんぐりや無数の記憶内包し

09/30  #166 秋簾まど打つ音の乾きかな


10/01  #167 名月ややっとのことでここに来し

10/02  #168 十六夜を背中に受けて帰り道

10/03  #169 「この道」のピタリと嵌まる秋の暮

10/04  #170 鵯のやかましく鳴く愛らしさ

10/05  #171 金木犀やっと名前の一致かな

10/06  #172 秋風の部屋の中へと入り込む

10/07  #173 秋の雨強く叩きて我磨く

10/08  #174 いつの間に機は熟したる寒露なり

10/09  #175 秋ともしZoomに遊ぶ僕らかな

10/10  #176 天才の十月十日無限かな

10/11  #177 父親の林檎剝きたる我が家なり

10/12  #178 反省の色など出ざる秋の夜や

10/13  #179 鶺鴒よアンテナの先何を鳴く

10/14  #180 草の穂の豊かな実り道路脇

10/15  #181 落ち着きて灯火親しみアーカイブ

10/16  #182 やや寒しいつかの日々と今のリアル

10/17  #183 秋雨や地球まるごと愛の聲

10/18  #184 秋晴の朝には晴るる視界かな

10/19  #185 朝寒の中を分け入る自転車と

10/20  #186 月を見て僕らは誰かと会話せん

10/21  #187 それぞれに道行く人や秋の暮

10/22  #188 枝豆の食べ殻積みて山となり

10/23  #189 新たなる意識の芽生え秋深し

10/24  #190 人生の船出となりし秋の朝

10/25  #191 秋澄みて鳥の自由と人の宇宙

10/26  #192 秋空にあなたの歌があればいい

10/27  #193 薄紅葉こころの中に淡き炎

10/28  #194 十月や神の最後のお告げなり

10/29  #195 後の月運の良し悪し凌駕せり

10/30  #196 秋うららカーラジオからchay流る

10/31  #197 満月の夜に重なるハロウィーン


11/01  #198 何もせず地球は回る秋の川

11/02  #199 暮の秋人生終えて流れ出す

11/03  #200 何度目の地球の秋を惜しみける

11/04  #201 紅葉や世界はやらせで出来ている

11/05  #202 天高し期待は昇り消えてゆく

11/06  #203 鱗雲広がりながら前進し

11/07  #204 立冬や終わりの始まり到達す

11/08  #205 強さとは紅葉且つ散る潔さ

11/09  #206 冬の空必要なるもの揃いたり

11/10  #207 さんぽ道ジュエルミネーション眺めけり

11/11  #208 冬晴や雲を探している自分

11/12  #209 もたもたし冷たき風の十六時

11/13  #210 街路樹の色とりどりや冬浅し

11/14  #211 冬の暮無音の中に一人かな

11/15  #212 紅葉散る神の呼吸の一つなり

11/16  #213 散紅葉道路の脇に積もりけり

11/17  #214 冬の暮あなたを想う不思議かな

11/18  #215 撮影の中止になりて紅葉狩

11/19  #216 草紅葉時代流るる一つ円

11/20  #217 はからずも小春の風に同化せり

11/21  #218 神無月世界は常に廻りけり

11/22  #219 葉を落とし背筋を伸ばす冬木かな

11/23  #220 冬の暮ポールの声に浸りけり

11/24  #221 運命や残る紅葉に我を知る

11/25  #222 神の旅僕らの旅も交われり

11/26  #223 神の留守いつもと違う俳句かな

11/27  #224 優しさの染み入るうちのおでんなり

11/28  #225 いろいろと電気を使う冬の夜

11/29  #226 山茶花の至るところに咲きにけり

11/30  #227 桜枯る準備を終えて胸軽し


12/01  #228 新宿でマスクの比率知り得たり

12/02  #229 ラジオから「冬の口笛」聞こえけり

12/03  #230 家々にそれぞれ実り蜜柑の木

12/04  #231 冬の暮信号一つ輝けり

12/05  #232 寄鍋の家族の会話引き立てし

12/06  #233 冬の夜電球色の世界かな

12/07  #234 冬茜富士の頭を覆いけり

12/08  #235 十二月八日に開く扉かな

12/09  #236 ぶり大根合わせし人のセンスかな

12/10  #237 一歩ずつ真我へ向かう十二月

12/11  #238 冬紅葉今年も希望集めけり

12/12  #239 十二月十二日には女神来る

12/13  #240 極月に一つになりし君と僕

12/14  #241 黄落の一つの終わり祝いけり

12/15  #242 毎年の師走流るる時間かな

12/16  #243 欅枯る削ぎ落しゆく世界なり

12/17  #244 一瞬の冬三日月や画に残り

12/18  #245 冬の月二夜連続の主題かな

12/19  #246 冬の月横を飛行機通りけり

12/20  #247 年の瀬に谷保天神を詣りけり

12/21  #248 神になる準備を終えし冬至かな

12/22  #249 ユニクロのセーター二つ補充せし

12/23  #250 行く年の肚に伝わる充実感

12/24  #251 三人でチーズフォンデュを囲みけり

12/25  #252 クリスマス地球の心一つなり

12/26  #253 君の聲僕らは一つ冬の空

12/27  #254 年の暮昔の友とサッカーす

12/28  #255 心から居場所を悟る年の暮

12/29  #256 冬の月歳暮の空に輝けり

12/30  #257 小晦日等々力不動を詣りけり

12/31  #258 ツイートで感謝伝うる大晦日


〈2021〉

01/01  #259 元日の決勝見終え初散歩

01/02  #260 ガキ使の録画で笑う二日かな

01/03  #261 散歩するように三日も暮らしけり

01/04  #262 亀戸と湯島を詣る四日なり

01/05  #263 寒の入緊急事態へ向かいたり

01/06  #264 松の内こころの神に出会いけり

01/07  #265 今のうち根を深く張る冬木かな

01/08  #266 冬の声過去最多なる感染者

01/09  #267 寒茜見上げてばかりの散歩かな

01/10  #268 寒晴の世界を歩くこの身体

01/11  #269 ゼロになる成人の日から十年目

01/12  #270 焼芋の全身襲う旨味かな

01/13  #271 枯桜希望の香る並木道

01/14  #272 宣言下冬空の下寒川へ

01/15  #273 小豆粥いつもと違う真剣さ

01/16  #274 松過に神残りたる己が内

01/17  #275 冬の梅一つ二つと咲きにけり

01/18  #276 一月の仏と神の鉢合わせ

01/19  #277 一月の散歩は神社へ向かいける

01/20  #278 大寒や心の肚の極まりぬ

01/21  #279 寒茜富士の頭を照らしたり

01/22  #280 冬の夜にあの人からのライン来し

01/23  #281 冬深し寝ても覚めても神の道

01/24  #282 五時の鐘日脚の伸びし気配かな

01/25  #283 原宿のマスクの数と人の数

01/26  #284 行き着いてもう何もせず春を待つ

01/27  #285 春近し押し寄する波逆らわず

01/28  #286 母誘い葛湯で満たす小腹なり

01/29  #287 一月の最後のバイトこなしけり

01/30  #288 枯芒またいずれ会うその日まで

01/31  #289 冬の山冬の川にて冬の星


02/01  #290 冬尽きてアフターコロナに呼ばれたり

02/02  #291 節分に緊急事態の延長す

02/03  #292 立春や息するように公言す

02/04  #293 怒りから始まる春の一歩なり

02/05  #294 気の早し家に帰れば桜餅

02/06  #295 伊予柑の籠一杯に待機せり

02/07  #296 早桜開花の仕方伝えたり

02/08  #297 ぽつぽつぽつ梅見かけつつ過ごしたる

02/09  #298 朝食にうぐいす餅を食べにけり

02/10  #299 春光を世界ともども享受せり

02/11  #300 草萌やマンホールにも顔を出し

02/12  #301 杉花粉見えぬ闘い一つ増え

02/13  #302 神様と繋がりやすき春の朝

02/14  #303 春の雲僕らの夢を包みけり

02/15  #304 春の虹都心の空に広がりし

02/16  #305 早春に鑑賞すべき「めがね」かな

02/17  #306 コンビニでいつもの草餅選びける

02/18  #307 春浅し長き旅路も終いけり

02/19  #308 春の川地球に深く流れけり

02/20  #309 一生を一つに括る二月かな

02/21  #310 コロナ避け花粉も避くる春籠り

02/22  #311 春霞雲一つなき空仰ぐ

02/23  #312 春めける世界にうずく我が主

02/24  #313 地球にも地球の事情寒戻り

02/25  #314 あなたがいるその歌声が僕の春

02/26  #315 朧月仏性開眼志し

02/27  #316 暖房の故障疑う寒戻り

02/28  #317 桃の花セットの咲きし我が家なり


03/01  #318 どこにでも椿の咲ける実世界

03/02  #319 春疾風やるべきことの少なさよ

03/03  #320 風光る僕らの旅は美しい

03/04  #321 蘖のようにアイデア湧き起こり

03/05  #322 白木蓮の淡き炎を灯しけり

03/06  #323 どの日より三月六日おめでたし

03/07  #324 三月や生き方超えて死に方へ

03/08  #325 夜椿あなたの歌聴く帰り道

03/09  #326 白木蓮単純だけが真実と

03/10  #327 幸せの春の朝日のひかりかな

03/11  #328 麗かなる地球の上を我歩く

03/12  #329 壮大に辛夷の世界立ち上がり

03/13  #330 三月にシンエヴァからも卒業す

03/14  #331 我が家ではホワイトデーに桜餅

03/15  #332 春の夜や希望で満ちし帰りみち

03/16  #333 アスパラが家族全員好きらしく

03/17  #334 彼岸入り心の修行終いけり

03/18  #335 三月の十八日に始まりし

03/19  #336 お彼岸に真理の扉ひらきたり

03/20  #337 様々のさくらを愛づる日本かな

03/21  #338 やることは春分越えて続きたり

03/22  #339 雪柳新たなる道祝いけり

03/23  #340 彼岸明け残りしものが私かな

03/24  #341 菜の花よ風に吹かれて脱力す

03/25  #342 春の夜や3対0の日韓戦

03/26  #343 満開の桜のごとき余裕かな

03/27  #344 花時や人生懸くる夢きざむ

03/28  #345 音立てぬ喇叭水仙五六本

03/29  #346 桜との共演果たす僕らかな

03/30  #347 木の芽時呼び覚ましたる記憶かな

03/31  #348 花屑の押し寄する智慧無限なり


04/01  #349 四月馬鹿あなたの嘘は回収す

04/02  #350 梨の花一面しろく浮かびけり

04/03  #351 全世界春の朝には同期せん

04/04  #352 箒桃上昇気流示したり

04/05  #353 清明にただただ続く呼吸なり

04/06  #354 花冷や日本とコロナ向かう道

04/07  #355 遅桜そのスピードは計られず

04/08  #356 仏生会つねにゼロから始めたし

04/09  #357 春しぐれ合図のように事件起く

04/10  #358 福田屋のさくらまんじゅう食べにけり

04/11  #359 百千鳥もうすぐ我も声届けん

04/12  #360 春の風あっという間の一日よ

04/13  #361 春雨の度に記憶を捨てにけり

04/14  #362 春雨や嘘も誠に聞こえたり

04/15  #363 風光る歩いて向かう未来かな

04/16  #364 竹の秋一足先に未来知る

04/17  #365 万感の晩春生くるわたしたち



written by 作捨不名


~To be continued.~

○句集「季語日誌 Vol.3」

〈2021/4/18~2022/4/17〉

 2022年5月公開.


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